エクセルで業務をこなす中で、「マクロを使えばもっと効率化できるのでは?」と思ったことはありませんか?
そんな時、「VBAを学んでみようかな…」と考える方も多いはず。
そして調べるうちに出てくるのが——「VBAエキスパート」という資格。
でも、実際この資格って「意味ある」の?
私自身、VBAエキスパート(Excel VBAスタンダード)を取得し、今まさにVBAを使った仕事に携わっています。
この記事では、派遣社員として働く立場からリアルな体験談をお届けします。
この記事は、VBAをこれから学ぼうと思っている派遣社員や、VBAエキスパートの資格を取る意味があるか迷っている方に向けて書いています。

VBAエキスパートという資格が「気になってる方」にとって、少しでも参考になれば嬉しいです😊
※VBAエキスパートには「Excel」と「Access」の2種類がありますが、この記事ではExcel VBAを中心にお話します。
VBAエキスパートとは?
「VBAエキスパートとは、Microsoft Office製品(主にExcelとAccess)に搭載されているマクロ機能やVBA(Visual Basic for Applications)のプログラミングスキルを客観的に証明する資格です。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)と同じ運営元(オデッセイ)による認定資格で、知識だけでなく、実践的なスキルも問われます。
資格名 | レベル | の説明
---|---|
Excel VBA ベーシック | ExcelのマクロやVBAの基礎知識、基本的な自動化操作ができるレベル。VBAの構文や簡単なプログラム作成、セルやシートの操作など、業務効率化の初歩的スキルを証明。 |
Excel VBA スタンダード | VBAを使ったより高度な自動化や応用的なプログラム作成ができるレベル。ユーザーフォームやイベント処理、複雑なデータ操作など、実務で役立つ上級スキルを証明。 |
Access VBA ベーシック | AccessのマクロやVBAの基礎知識、基本的なデータベース操作ができるレベル。テーブルやクエリの操作、簡単なVBAコードの記述など、Access業務の自動化入門スキルを証明。 |
Access VBA スタンダード | Access VBAを使った高度なデータベース自動化や応用プログラム作成ができるレベル。フォームやレポートの制御、複雑なデータ処理など、実務に直結する上級スキルを証明。 |
【受験資格】:年齢や職業などの制限はなく、誰でも受験可能です
【試験方法】:コンピューター上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式
【合格基準】:700点以上(1000点満点)
※合格基準は、試験問題の更新などにより変動することがあります。
【受験料・試験時間】
・Excel VBA ベーシック:13,200円(税込)、試験時間50分、40問前後
・Excel VBA スタンダード:14,850円(税込)、試験時間50分、40問前後
詳しくはこちら👉 VBAエキスパート公式サイト



MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の「VBA版」といった感じですね。
VBAエキスパートのメリット
体系的な知識が身につく
VBAエキスパートの勉強では、マクロの基本から応用的なプログラム構造まで、順を追って体系的に学べます。
そのおかげで、「VBAの全体像」が自然と頭に入ってくる感覚がありました。
実務経験だけでVBAを使ってきた人は、どうしても業務内容に沿った使い方に偏ってしまいがちです。
実は、現場で長くVBAを使っていた方に「それってVBAでできるんだ!?」と驚かれたことがあります。
資格の勉強で得た知識が役立った瞬間でした😊
スキルの証明になる
VBAエキスパートは、履歴書や職務経歴書に記載できる“公的なスキル証明”として使えます。
特に、VBAを使う業務に応募する際には、「単なる自己申告ではない」ことを示すことができます。
VBAエキスパートのデメリット
受験料と教材費が高め
VBAエキスパートの受験は、費用面のハードルがやや高めです。
たとえば、私が受けた「Excel VBA スタンダード」は、受験料だけで14,850円(税込)。気軽に何度も挑戦できる金額ではありません。
さらに、合格を目指すなら公式テキストの購入がほぼ必須。
・公式テキスト Excel VBA スタンダード:3,300円(税込)
公式テキストにも「模擬問題」は付属していますが、私はそれだけでは不安だったので、アオテンストアで別売の演習問題も購入しました。
・演習問題(3回分):2,970円(税込)
📌 合計すると2万円超え。
私はベーシックを飛ばしてスタンダードから受験したのですが、もし順番に2科目受けていたら、費用は倍近くになります。
💡 比較のために触れておくと、簿記3級の受験料は3,300円+事務手数料550円(税込)=合計3,850円。
この価格差を見ると、「VBAエキスパートって高っ!」と感じるのも無理はないですよね😓



この金額が「絶対不合格になれない…!」っていうプレッシャーにはなりますが……😓その分、試験対策には必死で取り組みましたよ!
知名度がやや低い
VBAエキスパートは、まだそれほど知られていない印象の資格です。
実際に、派遣先の職場見学でスキルシートを見た担当の方から「そんな資格あるんですね…初めて聞きました」と言われたことがあります😅
現場の人の反応を見ていても、「結構知らない人が多いな」と感じることが何度かありました。
そのため、必ずしも評価や採用につながるとは限らないのが現実です。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)のほうが、まだ一般的な知名度は高いかもしれませんね。



高い受験料を払って、時間をかけて必死に勉強したのに…
それが伝わらないのは、正直ちょっと悲しい気持ちになりますね🥲
それでも資格を取る意味はある?
現場では「資格」より「実績」が強い
結論から言えば、実務で「VBAを使った業務改善の実績」を積めるなら、資格はなくても十分武器になります。
実績のある人のほうが、VBA関連の求人に採用される可能性は圧倒的に高いのが現実です。
私は、VBAエキスパートを取得した直後に、派遣のVBA案件に何度も応募しましたが、採用には至りませんでした。
ある求人では「VBAの知見がある方歓迎」という条件でしたが、競合の応募者に“実務経験あり”の方がいたため、選考に進めないこともありました。



「資格は取ったけど、実績なんていつになったらつめるの?…」
そんな気持ちになってしまうこともありました😭
実績づくりが難しいなら、資格は「あり」
もしあなたが、派遣社員としてExcel業務に携わりながら、自分でVBAを学び、日々の仕事をVBAで効率化できるなら——それは立派な実績になります。
資格がなくても、「業務改善スキル」としてスキルシートに堂々と書ける内容ですし、面接でも十分アピールできる可能性があるでしょう。
でも、業務の中でVBAを活用しようと思っても、派遣先の理解が必要だったり、「そもそも本当にできるのか…」という不安があったりしますよね。
日々の業務に追われる中で、VBAの開発に時間を割くのも現実的には難しいし、プライベートの時間でも、コツコツとVBAを学ぶ必要があります。
..…こうして考えると、「実績をつくる」ということは、思っている以上にハードルが高いと思います。
そういった実績づくりが難しい状況にある方には、VBAエキスパートという資格が「仕事に就くチャンスを広げるためのきっかけ」になる可能性があります。



資格はあくまで“入り口”。それだけで、VBAのお仕事に就けるとは限りません。私も最初は期待していたけれど…現場では“実績”が強いなって感じました😭
VBAエキスパート取得から派遣で働くまで|リアルな体験談と勉強法
VBAエキスパート取得のきっかけと学習体験
少し昔の話になりますが、私がVBAエキスパートを目指すきっかけになったのは、派遣の契約が満了し、次の派遣先が決まっていなかった時期のことです。
とりあえずハローワークに足を運び、何気なく手に取った職業訓練のチラシを見ていると、「VBAが学べるコース」があることを知り、「この機会に挑戦してみようかな」と思いました。
それまでもExcel業務には携わっていて、関数やピボットテーブルなどは実務の中で覚えてきましたが、VBAだけはプログラミングの知識がまったくなかった私にとって、独学ではどうしてもハードルが高く感じていました。
選んだ職業訓練コースでは、VBA以外の内容も学ばなければなりませんでしたが、私はVBAを重点的に学び、家に帰ってからも毎日復習を繰り返すほど熱心に取り組みました。
とはいえ、プログラミングの考え方は想像以上に難しくて、「もう、脳が拒否反応を起こしてるかも…」と思うほど苦戦した場面もありました。
途中からは、公式テキストも必死に読み込みながら、授業と並行して懸命に勉強を続けました。
職業訓練が終わったタイミングで、すぐにVBAエキスパート スタンダードの受験を決意。
本来は“ベーシック”から受けるのが一般的で、先生にもそう勧められましたが、前述した通り受験料の負担が大きかったこともあり、思い切ってスタンダードから挑戦する道を選びました。



今は、YouTubeなどでも「VBAエキスパート合格のための解説動画」が豊富にあるので、ご自身のペースで勉強したい方は、こうした教材でも十分に対策できると思いますよ😊
VBAエキスパート難易度は?
【受験者数累計】
参照元:VBAエキスパート公式HP
66,773 名(2023年12月31日時点)
【合格率】
2019年5月~2023年12月受験者データより集計
Excel VBA
ベーシックExcel VBA
スタンダードAccess VBA
ベーシックAccess VBA
スタンダード81% 59% 56% 46%
参照元:VBAエキスパート公式HP



簿記3級の合格率が40%前後なので、それに比べるとVBAエキスパートは取得しやすい印象かもしれません😊
VBAエキスパート試験のリアル体験談
何度も言っていますが、受験料が高いこともあり、「絶対合格しなければ…!」と、かなり自分を追い込んでいました。
試験前日は夜遅くまで公式テキストを読み込み、当日も試験会場に着くギリギリまで見返していたほどです。
緊張感はかなりありましたが、CBT(Computer Based Testing)形式の試験には特に戸惑うことはなく、落ち着いて問題に向き合うことができました。
そして結果は——
最低合格点700点に対して、889点で無事合格!😆
帰り道は、嬉しくて嬉しくて……
ひとりで噛みしめるように、じわじわと喜びが込み上げてきました。



あのプレッシャーと緊張の3か月…報われた瞬間でした😭✨
派遣で実務をスタートするまで
資格を取得したものの、すぐにVBAの仕事に就けるわけではありませんでした。
結局、数年間そのチャンスに巡り合うことはなく、「この資格、意味あったのかな…?」と思うこともありました。
それでも、「いつかVBAの仕事がしてみたい」という気持ちだけは消えませんでした。
そんな中、ルーティンワークの派遣業務にうんざりして契約更新をせず、次の仕事を探していた時期がありました。
今回はなかなかスムーズに決まらず、複数の派遣会社に登録しながら片っ端からエントリー。
その中のひとつに「VBAの知見がある方歓迎」という求人がありました。
期待せずに応募したところ、職場見学までトントン拍子で進み、まさかの採用。ついにVBAを使うお仕事をスタートできたのです!
📌後に聞いた話なのですが、実はその派遣先でもVBAの実務経験者を探していたそうです。
でも、なかなか条件に合う人が見つからなかった中で、私に「VBAエキスパートの資格がある」ということで声がかかったということでした。
実際の業務は、資格取得時の学習内容とは違っていて、現場での理解や応用力が求められる場面も多く、かなり苦戦しました。それでも、VBAを使って業務を効率化する仕事は本当に楽しくて、“初めて夢中になれた仕事”だったと思っています。
たしかにラッキーな巡り合わせではありましたが、
そのチャンスをつかめたのは、「資格があったこと」+「諦めずに動き続けていたこと」だったんです。



資格を取ってから、実際にお仕事に就くまで約4年かかりました…。
すぐに結果が出なくても、VBAエキスパートという“持ち札”を持っていたことは、間違っていなかったということです😊
おまけ:Access VBAエキスパートも受験してみた話
実は内緒なんですけど……
私、Access VBAエキスパート スタンダードも受験したことがあります。
理由は単純で、「Excel VBAとAccess VBAのスタンダードを両方取得すると“VBAエキスパート スタンダード クラウン”という称号がもらえる」と知り、なんだかちょっと面白そうで、「持ってたらネタになるかも?」という軽い憧れからでした。
公式テキストも購入して、わりとちゃんと勉強したつもりではあったのですが……
結果は、最低合格点700点に対して、なんと500点😱。
さすがにこれには心が折れて、それっきり再挑戦する気も失せましたよ😓



クラウンの称号は諦めましたが、Access VBAの勉強自体は、業務で地味に役立ってます😊
まとめ
資格は取得しただけで、すぐに実務につながるとは限りません。
でも、諦めない気持ちと行動を続けることで、思いがけないチャンスに結びつく“一枚のカード”になることもあります。
VBAはExcel上で使える、身近で挑戦しやすいプログラミング言語です。
すぐに仕事に直結しなくても、「分解」「順序立て」「分析」といったプログラミング思考が身につきます。
この思考力は、問題解決力・柔軟性・適応力の向上につながる、ビジネスパーソンにとって大きな武器になるはずです。
私自身、PythonやJavaScriptにも少しだけ触れたことがありますが、基本的な考え方はどれも同じでした。
だからこそ、VBAはプログラミングの第一歩としてとてもおすすめです。
何か新しいことに挑戦したい。そんな時は「VBAエキスパート」も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか?



資格は採用の決め手ではないかもしれないけど、選考時の「アピール材料」には十分なると思います😊
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